ノジュール6月号
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戦前(1937年)、後にホテルオークラなどを建てた大倉喜七郎により創業された日本を代表する老舗リゾートホテルだが、意外にその格式を知る人は多くない。赤倉スキー場の丘の上に立ち、運がよければ一面の雲海を眼下にできる「絶景の宿」だ。遠くの山々を眺めながら周囲を散策するのも気持ちがよい、静かな一軒宿でもある。広々としたテラス付きのカフェでひと時を過ごすと、「人はなぜわざわざ混雑する観光地に行くのだろう」と思わずにいられない。 こんな穴場リゾートを「誰かを喜ばせるための宿」の引き出しに入れずにおかない手はない。とりわけ、おすすめは、スキーシーズンでも夏休みでもない。梅雨の時期や初冬だ。その第一の理由は、静けさ。喧騒に囲まれて暮らしている方なら、何ものにも代えがたい時間となるだろう。そして第二には、雲海だ。初夏の雨上がりの日や、晴れて放射冷却の起こった日の朝に雲海が出やすいとされる。雲海を眺めながらのモーニングコーヒーは、一生の思い出になるに違いない。 赤倉観光ホテルは、2009年に新館を建てた。湧き水をたたえた水盤越しに景色を望む、最上階の「アクアテ赤倉観光ホテル[新潟県・妙高高原]誰かを喜ばせる宿高原の絶景ホテルで雲海を濃厚な源泉が注がれる極上の湯静寂な絶景リゾートでの休日を14

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