ノジュール6月号
9/15

挟んだ目の前の浜では磯遊びが楽しめ、夏の夜には水平線に漁火が灯る。 玄関をくぐると重低音のスピーカーからジャズが流れ、生花が鮮やかだ。建物が新しいわけではなく、一般的な民宿のつくりだが、設えひとつとっても都会的な匂いがする。「何でも自分で作る」という関さんのセンスによるものだ。 朝から大忙しの関さんは、港を軽トラックで駆けまわり、仕入れた魚を丁寧にさばいて夕食の準備をする。なかでも香住ガニは自前の水槽を持つほどの入れ込みよう。香住ガニは、小型船による日帰り漁なので新鮮なままで持ち帰られ、5月まで漁に出るところが、他のカニと一線を画している(6月は自主休漁、7・8月は禁漁)。その身は水々しくうまみがあり、地酒とあわせれば最高だ。 カニのほか、これからの季節におすすめなのは「活イカの姿造り」(6〜8月限定)。ふだんなかなか味わうことができない活イカならではの歯ごたえと甘さを堪能したい。 ハード面で特筆すべきは、2008年にリニューアルした内風呂。地元出身のデザイナーと一緒に作ったという力作だ。眺望もなく広さもないが、機能的でかつ清潔。平日の夜間(20時〜23時10分)であれば貸し切ることもできるので、ゆっくりと温まり、優雅な時間を過ごすのもいい。 しおかぜかおる みんしゅく せきのや☎0796-36-3782兵庫県美方郡香美町香住区矢田59-21泊2食1万1550円~、1泊朝食4800円~、素泊まり3990円~ひとりでの宿泊可(1000円増し)JR山陰本線香住駅から車で約5分潮風香る民宿せきのや[兵庫県・香住海岸]地ガニと地酒でもてなす心意気和モダン香る大人の宿※2012年4月27日・5月10日取材43nodule 2012 June9.「せきのや」の文字が目を引く2階建ての宿 10.陽気な関さんは、地域活動も熱心4.掃除が行き届いた和風の客室 5.館内の随所に生け花が飾られている 6.食事は1階へ下りていく(人数に応じて部屋食も可) 7.男女別の風呂は、デザインも楽しめる 8.手づくりの案内看板があたたかい74568910

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です