ノジュール7月号
7/15

風呂(酸性・含鉄Ⅱ―アルミニウム―硫酸塩泉)を、妙乃湯では内湯と露天風呂で澄明な銀泉(単純温泉)と赤褐色の金泉(酸性―カルシウム・マグネシウム―硫酸塩泉)を堪能。といっても、半日の間に6湯も入りまくるのは感心できない。ここは2日間に分けて湯めぐりするのが賢明だろう。 さて、湯めぐり後は夕闇迫る中を鶴の湯温泉へ。部屋にはテレビもラジオも置かず、夜はランプの灯が点り、茅葺きの宿泊棟「本陣」の部屋では囲炉裏に炭が赤々と燃える。それでいて、部屋に設置されたトイレは温水洗浄便座付きだ。つまり最小限の快適性、機能性は維持しつつ、建物や浴槽の造り、そして山の宿らしい郷土色豊かな食事などの〝秘湯らしさ〞には徹底的にこだわり、客の琴線をビリビリと刺激して離さない。 この心憎いばかりに考え抜かれた館主の演出に、ほとんどの人がまんまとはまってしまうのだ。ただし、立ち寄り入浴客が大挙して訪れる日中はせっかくの〝秘湯〞の雰囲気も消されてしまうので、宿泊して昼間とは一変した静かな夜を過ごしてみないと、鶴の湯の本当の良さはわからないかもしれない。温泉郷の最奥に位置し、現在も湯治棟が立ち並ぶ大規模な一軒宿。源泉は泉質の異なる上の湯と下の湯がある。蟹場と黒湯方面への道の分岐点に立つ設備充実の公共の宿。2種類の泉質の湯を引く大浴場とブナ林を望む露天風呂がある。温泉郷の中ではもっとも鄙びた雰囲気を持つ秘湯。渓流沿いに立つ湯小屋に露天風呂や石の湯など多彩な湯船がある。宿泊客限定、各宿で1冊1500円で販売。乳頭温泉郷の全7湯に入浴でき、1年間有効。無料で利用できるマイクロバス「湯めぐり号」(利用の1時間前までに各宿のフロントに予約制)も運行している。■黒湯温泉■休暇村乳頭温泉郷■孫六温泉乳頭温泉郷の「湯めぐり帖」廃校の古材を移築した建物で、外観は分教場のような趣。乳頭温泉郷唯一の珍しい泉質の湯大浴場と露天風呂で楽しめる。温泉郷きってのおしゃれな雰囲気で女性客に人気の宿。赤褐色になる「金泉」と澄明な「銀泉」の2種類の温泉を楽しめる。バス停終点の先、行き止まりに立つ。館内には木風呂と岩風呂に貸切風呂、50m歩いた森の中の沢沿いに露天風呂がある。■大釜温泉■妙乃湯■蟹場温泉くろゆおんせん ☎0187-46-2214秋田県仙北市田沢湖生保内黒湯沢2-11泊2食1万1700円~[日帰り入浴データ] 500円 9~16時(喫茶は8~20時、食堂は11時30分~13時30分L.O.)無休(11月中旬~4月中旬は冬期休業)羽後交通バス休暇村前から徒歩20分きゅうかむらにゅうとうおんせんきょう☎0187-46-2244 秋田県仙北市田沢湖駒ケ岳2-11泊2食1万950円~[日帰り入浴データ] 500円11~17時(レストランは11時30分~13時30分L.O.)無休 羽後交通バス休暇村前から徒歩すぐまごろくおんせん☎0187-46-2224 秋田県仙北市田沢湖田沢先達沢国有林1泊2食付9600円~[日帰り入浴データ] 500円 7~17時(冬期は9~16時) 不定休 羽後交通バス乳頭温泉から徒歩15分乳頭温泉組合www.nyuto-onsenkyo.com/おおかまおんせん ☎0187-46-2438秋田県仙北市田沢湖田沢先達沢国有林 1泊2食1万650円~[日帰り入浴データ] 500円 9時~16時30分不定休 羽後交通バス乳頭温泉から徒歩すぐたえのゆ ☎0187-46-2740秋田県仙北市田沢湖生保内駒ヶ岳2-1 1泊2食1万2855円~[日帰り入浴データ] 700円 10~15時(食事処「草庵」は11時30分~14時) 無休(食事処「草庵」は不定休) 羽後交通バス妙乃湯温泉前から徒歩すぐがにばおんせん☎0187-46-2021 秋田県仙北市田沢湖田沢先達沢国有林1泊2食9075円~[日帰り入浴データ] 500円 9時~16時30分 不定休 羽後交通バス乳頭温泉から徒歩3分テーマでめぐる温泉、鉄道、歴史町…など、自分好みのテーマで旅できるのも東北の魅力のひとつ。豊かな自然の風景や美味しい郷土料理に触れながら東北を旅しよう。※2012年6月1~2日取材乳頭の魅力を凝縮する「鶴の湯温泉」25nodule 2012 July屋根付きの露天風呂。昼はレストランも開放深い造りの内湯は温泉郷最大規模内湯では2種類の湯が楽しめる人気の混浴露天風呂「唐子の湯」渓流沿いに立つ鄙びた風情の温泉1.「湯めぐり帖」は1年間有効 2.ブナの林を行く「湯めぐり号」 湯治場ムード漂う温泉と喫茶コーナー12

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です