ノジュール8月号
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最近ニュースや新聞を賑わせているLCC。今年は「LCC元年」ともいわれ、3月には関西でピーチ・アビエーション(以下ピーチ)が、7、8月にはいよいよ首都圏でジェットスター・ジャパン(以下ジェットスター)とエアアジア・ジャパン(以下エアアジア)が就航を開始した。航空運賃は大手航空会社の3分の1程度が相場となっており、国内線1区間あたり5000〜8000円という驚きの価格が売り。そんなおトクな空の旅を提供してくれるLCCについて、まずは基本的な点から見ていこう。 LCCは、ローコストキャリア(Low Cost Carrier)を略したもので、格安航空会社とも呼ばれ、大手航空会社に比べて運航コスト・販売コストを下げることで、利用者に低価格の運賃を提供する航空会社のこと。LCCの歴史は、1971年のアメリカまで遡る。同年に設立されたアメリカのサウスウエスト航空は、1〜2時間の短距離路線を多頻度で運航し、紙の航空券の代わりに再利用可能なプラスチックカードを使用、座席も全席自由席にするなどのコストカットを図り、1978年のアメリカの航空規制緩和の波に乗って急成長した。その影響はヨーロッパ、東南アジア、オセアニアなどに広がり、それまで高級な乗り物だった飛行機が、長距離バス感覚で利用できる手軽な手段へと変わっていった。 いよいよ日本でも本格化するLCC。次は安さの秘密を探ってみよう。LCCが安くできる背景には、機材を1〜数機種のみに統一化することで、パイロットや客室乗務員の養新千歳ピーチ・アビエーション(8月以降就航予定)ジェットスター・ジャパン(8月以降就航予定)エアアジア・ジャパン東京(成田)大阪(関西)福岡長崎鹿児島那覇新千歳ピーチ・アビエーション(8月以降就航予定)ジェットスター・ジャパン(8月以降就航予定)エアアジア・ジャパン東京(成田)大阪(関西)福岡長崎鹿児島那覇とりうみこうたろう●1978年千葉県生まれ。航空・旅行アナリストとして、航空会社やアライアンス関係の研究・調査を行っている。執筆やラジオ番組などにも出演多数。城西国際大学観光学部助手。日本の空が変わる!おトクな空の旅指南夏からのLCC国内線本格運航で、旅のスタイルが大きく変わります。本当におトクな空旅とは? あなたに合った旅の魅力を検証します。3月のピーチ・アビエーションを皮切りに、7月にはジェットスターが、8月にはエアアジアが就航し、国内線のLCC3社がついに出そろいます。まずはLCCの基本的な解説と乗り方から見ていきましょう。旅に革命を起こす話題のLCC文 鳥海高太朗LCCとは何か?なぜ安くできるのか?LCC 3社 国内就航図ピーチ・アビエーション(年内就航予定)ジェットスター・ジャパン(8月24日就航予定)エアアジア・ジャパン写真:鳥海高太朗、ピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパン16国内線初のLCCとして就航を開始したピーチ

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