ノジュール9月号
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銅鑼の音が響くと、7階デッキに集まった乗客からいっせいに紙テープが投げられる。出港を前に恒例のセイルアウェイパーティーのはじまりだ。色とりどりの紙テープがひらひらと舞い、勇壮な和太鼓に送られて、飛鳥Ⅱは小樽港をゆっくり離れて行く。昔から変らない、船旅ならではの別離の光景に、旅への期待が高まる瞬間だ。横浜へ向けていよいよ45時間の船旅のはじまり。 まずは船内図を手に、5〜12階までの8つのデッキを探検。といっても、7〜10階には客室が配されているので、残る4つのデッキの位置関係をつかんでおけばいい。5階には吹き抜けの空間を見上げるようにレセプションとメインダイニング、6階はメインホール、ダンスホール、シアターなどのエンターテイメント、お土産・衣類・アクセサリーのショップ、バー、ライブラリーなどが集まるお楽しみエリア、11階は前面展望が楽しめるティーラウンジ、プール、海に面した朝・昼食用ブッフェレストラン、12階にはスパや展望浴場、ジムがある。上層階がくつろぎの場だと歩くうちに大まかに把握することができる。 いつしか外洋に出た飛鳥Ⅱは日本海を南下しはじめる。全長200mを超える巨体はフィンスタビライザーという横揺れ防止装置を備えているとあって、揺れはほぼ感じられない。さっそく11階最前部のビスタラウンジへ。24本の斜柱で仕切られた大窓から洋上の日ざしが降り注ぎ、彼方の水平線を眺めながらのティーブレイク。優雅な時間に身を任せる。客室に配られていた船内新聞「アスカデイリー」を開き、レストランやカフェ、エンターテイメントやイベント、ゲームなどのタイムスケジュールをチェック。飛鳥II ■50,142トン ■全長:241m ■乗客:872名 ■乗員:約470名 ■最高速度:21ノットショートクルーズに区間乗船 昨秋就航20周年を迎えた「飛鳥Ⅱ」は5万トンを超える日本最大のクルーズ船。乗客数872名、乗組員数470名、4つのレストランを備えた洋上に浮かぶホテルは、今なお国内クルーズ船の憧れの的だ。毎年春先から初夏にかけて約100日間の世界一周クルーズに出かけているが、夏以降は、日本沿海でのショートクルーズが楽しめる。今回は、神戸・横浜を経て北海道を一周して横浜に戻る「夏の北海道クルーズ」全行程11日間のスケジュールのうち、小樽から横浜までのラスト3日間に区間乗船。洋上の時間をたっぷり楽しむショートクルーズの醍醐味を紹介しよう。セイルアウェイパーティーPM1:001日目13nodule 2012 September▲フェアウェルパーティーが始まると、スタッフがドリンクをサービス。紙テープも配られる ▶銅鑼の音とともに出港!レセプション前のラウンジ「アスカプラザ」ではバンドやピアノの演奏でくつろげる

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