50代からの旅と暮らし発見マガジン

こだわり1万円宿 第32回

旅ライターの斎藤潤さんおすすめの、一度は泊まってみたい宿を
「予算1万円」に厳選して毎月1宿ご紹介します。

栃木県

塩原温泉ホテルおおるり

首都圏から送迎バスで宿直行!
塩原でお手頃湯治

アクセス至便で
滞在プログラムも充実
7時50分頃、西船橋駅に近い送迎バス乗車場所に到着。一度使ってみたかった送迎バス付格安宿泊プランに、ついに参加できるのだ。送迎途中で観光スポットにも立ち寄ってくれるワンコインツアーを申し込んだため、4時半頃ホテルに到着。

フロントで、部屋と金庫の鍵、案内、歯ブラシ2本とタオルを渡された。バスタオルは別で50円。案内には、夕食時間と場所(17時30分から18時40分まで、バイキング会場)、朝食の時間(7時から7時45分まで)と場所の他、風呂、チェックアウトなどについて記されていた。浴衣はフロント脇に積んであり、大きさが4種類、柄が数種類の中から自分で選べる。

フロント前には、無料で参加できるツアーの案内も出ていた。午前は塩原温泉文学散歩で、午後は日本禅宗四大道場の雲巌寺を訪ねる3時間のバスツアー。また、午前中は湯けむり会館で大衆演劇ショーも無料で観劇でき、至れり尽くせりだ。宿の提案に乗っていれば、何も考えずに無料で楽しく時間をつぶすことができる。

10畳の和室には、ベッドが2つ置かれ2畳の広縁も付いていた。窓の向こうに森と渓流が広がり、手前には温泉街や宿の庭園、7棟ある無料貸し切り風呂の屋根が緑に囲まれ並んでいる。

大きな洗面台や洗浄機付き便座のトイレやバスもあった。冷蔵庫は入っている飲み物を取り出すとカウントされる方式のものだが、中には何もない。恐らく、経営者が変わる前の遺産をうまく利用しているのだろう。

建物も必要最低限のリフォームだけして、昔の施設をそのまま活用していた。もちろん、宿泊客にとって何の差支えもない。そういう工夫を凝らして、格安の宿泊料を実現しているのだろう。

毎分400ℓの湯量と
満足バイキング
夕食まで時間があまりないので、大浴場でさっと温泉に浸かる。3ヵ所ある大浴場は、どこも湯量たっぷりで源泉かけ流しだった。

5時20分過ぎ、夕食会場前には20人近く並んでいた。定刻5分ほど前に開場。席は指定だ。

お盆とバイキング用の仕切皿をとって、まず数量限定の生ハムや船盛りの刺身を確保。さらに、ワカサギの南蛮漬け、エビチリソース、姫ワタリガニから揚げ、バンバンジー、野菜サラダ、シーフードパスタなどを盛りつけた。

開始から1時間は、アルコールも飲み放題。アサヒクリア、白ワイン、赤ワインを飲んだが、日本酒や各種チューハイもそろい、頼むとすぐに出てくる。

途中で、個数限定で揚げたての串カツが数種類が出てきた。その他の料理は、基本的になくなると補給される。デザートやフルーツも10種類並び、アイスクリームのサービスも。1時間たっぷり飲んで食べることができた。

今回は2泊して1万円(税別)だったが、リピーターが多い理由がわかったような気がした。

さいとうじゅん●1954年岩手県生まれ。ライター。テーマは島、旅、食など。
おもな著書は『日本《島旅》紀行』『島ー瀬戸内海をあるく』(第1〜第3集)、『絶対に行きたい!日本の島』、『ニッポン島遺産』、『瀬戸内海島旅入門』などがある。

(ノジュール2018年11月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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