サクッと15分 京懐石の老舗が教える旬のおかず 第17回

創業85年の京料理店「木乃婦」のご主人に教わる旬の食材で作るおかず。
京の老舗の味を家庭で手軽に味わいましょう。

和風焼き豚 九条葱あんかけ

文=山口春菜(エディットプラス) 写真=鈴木誠一

たっぷりの九条ネギと
豚肉の旨みを熱々の餡仕立てに
本日の食材は、寒さの中で甘みを増した、みずみずしい九条ネギ。「豚肉料理ではありますが、本当の主役はネギ。ネギと豚肉は同量ぐらい使うのがおすすめです」と髙橋さん。葉が長く、「葉ネギの王様」とも呼ばれる九条ネギは、熱を通すと驚くほどたっぷりいただける。もちろん青ネギでも代用可能だ。

ポイントは浸け地を使った豚肉の下処理。「豚肉をさっと浸け地にくぐらせるだけで、意外としっかり下味が付きますし、こうした下処理をすると一気に本格的な和食の味わいになります。柚子の果汁が入っているので、豚肉の臭みも取れますよ」。2枚重ねた豚肉をくるくる巻いてフライパンへ。表面が色づいたら一度取り出しておこう。

続いては九条ネギの餡作り。「もちろん調理は同じフライパンで大丈夫ですが、豚の脂が強すぎると餡がくどくなるので、残った油はキッチンペーパーなどで拭いておきましょう」。ネギを軽く炒め、出汁を加えて豚肉を戻したら、とろみをつけて完成だ。「豚肉は薄切りを使うので、短時間で火が通りますし、ネギもシャキシャキ感が楽しめます」。仕上げは、たっぷりの柚子の皮。「爽やかな

作り方

  1. 柚子の実は絞り、皮は細く刻んでおく。浸け地と柚子の絞り汁を合わせ、豚肉を1枚ずつさっとくぐらせる。

  2. 《1》の豚肉をタテに枚重ねて並べ、手前から巻いて形を整える。

  3. フライパンに油をひき、《2》の豚肉を表面の色が変わる程度に焼いて一度取り出す。

  4. キッチンペーパーなどでフライパンを拭いて油をきったら、油をひき直し、4cm幅に切った九条ネギをさっと炒め、合わせだしを加える。

  5. 《3》をフライパンに戻して、出汁が沸騰したら水溶き片栗粉を入れ、とろみをつける。さっと炒めたら、器に盛り、柚子の皮を添え、七味唐辛子を振る。

京料理 木乃婦〈きょうりょうり きのぶ〉
電話: 075-352-0001
住所: 京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416
営業時間: 12時~14時30分、18時~19時30分
定休日: 不定休
予約: 旬の会席1万6500円~2万7500円

(ノジュール2022年2月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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