サクッと15分 京懐石の老舗が教える旬のおかず 最終回

創業85年の京料理店「木乃婦」のご主人に教わる旬の食材で作るおかず。
京の老舗の味を家庭で手軽に味わいましょう。

春キャベツと帆立の味噌焼き

文=山口春菜(エディットプラス) 写真=鈴木誠一

旬のホタテと春キャベツを
レモンが香る味噌仕立てで
やわらかい日差しが、いよいよ春の到来を感じさせる3月。最終回で髙橋さんが紹介してくれるのは、春に産卵を控えて大きく成長するホタテに、やわらかく甘みたっぷりの春キャベツを合わせた、この時期ならではの一品。

「みずみずしい春キャベツは火の通りが早いので、大きめに切って使いましょう。芯を残してくし形に切れば、葉がばらけることもありませんよ」。味付けのポイントは、キャベツの片面に塗りこむ味噌だれ。「キャベツは、味噌を塗った面を上にして焼いてください。焼いている間に葉のすき間にじんわり味噌が入って、キャベツ全体に味が馴染みます」。蒸気を逃がすため、今回はアルミホイルを蓋にして蒸し焼きに。フライパンの蓋を使う場合は、少しすき間を作ることをお忘れなく。

キャベツが両面こんがり焼けたら、さらにこちらも火の通りが早いホタテをフライパンに。両面にさっと焼き目を付けたら、温度が下がらないよう、温めた出汁を加えて煮立てれば完成だ。「キャベツに小麦粉をまぶしているので、自然とだしにほどよいとろみがつきます。仕上げにレモンを加えて、爽やかな香りをまとわせましょう」。

作り方

  1. キャベツは4等分のくし形に切り、レモンは皮をむいて1㎜幅に切る。

  2. A(味噌・砂糖・酒)を合わせて、キャベツの片面に塗り、キャベツ全体に小麦粉をまぶす。

  3. 油を引いて熱したフライパンに《2》のAを塗った面を上にして入れ、アルミホイルで蓋をして1〜2分ほど蒸し焼きにする。キャベツに焼き色が付いたらひっくり返し、もう片面も蒸し焼きにする。

  4. キャベツのわきにホタテを入れ、両面をさっと焼く。

  5. 小鍋で温めたB(出汁・醤油・塩)を《4》に入れ、煮汁が沸いてきたら《1》のレモンを加えてさっと混ぜ合わせる。

京料理 木乃婦〈きょうりょうり きのぶ〉
電話: 075-352-0001
住所: 京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416
営業時間: 12時~14時30分、18時~19時30分
定休日: 不定休
予約: 旬の会席1万6500円~2万7500円

(ノジュール2022年3月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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