人気の特集

標高2000mの雲上の湯と絶景ハイキングを満喫

~飯出敏夫さんと行く
ランプの宿 高峰温泉(長野県)

文=飯出敏夫 写真=中田浩資

温泉と登山を愛する飯出さんが選ぶ旅先は新宿から直行バスが走るアクセス抜群な”秘湯“。
野天風呂からの絶景に愛情あふれるおもてなし名山ハイクまで……。
登山好きにおすすめする名湯・名山を一度に味わう満足プランです。

チェリーパークライン経由
標高2000mの温泉へ
高峰〈たかみね〉温泉は、長野県小諸市北郊の群馬県嬬恋村と境を接する高峰高原にある。小諸市街からはヘアピンカーブが連続する絶景ロード・チェリーパークライン経由で、標高1968mの車坂峠下まで駆け登らなければならない。そこから稜線上に湯ノ丸高原の地蔵峠まで湯ノ丸高峰林道が開かれているが、その途中に建つのが高峰温泉の一軒宿、ランプの宿高峰温泉だ。

高峰温泉には、JR小海線・佐久平〈さくだいら〉駅からの路線バスのほか、バスタ新宿から直行の高速バスが1日1往復している。新宿発10時35分、高峰温泉着14時28分、所要約4時間。しかも高峰温泉の、ランプの宿高峰温泉に冬季を除いて横付けだ。これほど交通至便な「秘湯の宿」はほかにはない。ちなみに、戻りが高峰温泉発16時17分、新宿着20時17分だから、高峰温泉の湯を日帰りで楽しむという離れ業も可能だ。

高峰高原の豊かな自然と
数々のイベントに誘われて
高峰温泉は元々、この下の高峰渓谷の源頭付近にあった。明治半ばに開発に着手したが、鉄砲水などに阻まれ、ようやく開業にこぎつけたのが昭和31年(1956)。以来、「ランプの宿」として親しまれていたが、昭和53年(1978)秋に火災で焼失。数多くの支援者に支えられ、谷底の源泉を現在地の稜線上に引き揚げ、復興を果たしたのは昭和58年(1983)夏。平成6年(1994)秋に現在の建物に建て替えられ、その後も着々と設備を充実させて進化を遂げ、いまや「予約のとりにくい」人気の温泉宿となった。

と、筆者がこの宿に詳しいのには訳がある。というのも、現在地に移転した昭和58年の直後からずっと通い続けているからである。

高峰温泉の魅力は、美肌効果の高い温泉とともに、四季それぞれの高峰高原の自然美が満喫できるという点だ。現館主で4代目の後藤英男〈ごとうひでお〉さんもそれを強く意識し、「自然との共生」を宿の理念に掲げる。

(ノジュール2022年10月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
ご注文はこちら