お悩み解決!旅するカラダ 第16回

冬の冷え対策

体が冷えると手足が冷たくなるだけでなく、体の機能の低下や血行不良、自律神経の乱れなどを招き、さまざまな病気の原因となります。気温の下がる冬はなおのこと。そこで今回は、冬の冷え対策について解説します。

常に体を温める

体を温めるのがポイント。気軽に使える「湯たんぽ」が有効です

身近なところに「湯たんぽ」体を温める最適のツールが湯たんぽです。体温を作り出す大きな筋肉があり、体温を全身に運ぶ太い血管が走る太ももを重点的に温めてください。

日中、仕事をしながらでも体は温められます。デスクワークなら湯たんぽを太ももの上に乗せたり、内臓が集まっているお腹や腰まわりに当てたりすると効果的ですし、立ち仕事の人は服の下にカイロを入れておくだけでもかまいません。

ゆったりした服の重ね着を体を温めるのではなく、むしろ体温を逃がさないようにしなければなりません。そのためには幾重にも空気の層ができる重ね着をおすすめします。

足先が冷えるので靴下を重ね履きする人もいますが、足先を締めつけると血行が悪くなり、かえって冷えを助長しかねません。体を締めつける補正下着も避けたほうがいいでしょう。腹巻きは内臓を冷えから防ぐためにとても有効ですが、これも締めつけすぎないように注意が必要です。重ね着するときはゆったりとしたものを選んでください。靴下は指が分かれているタイプのものなら、指全体の圧迫を抑えられます。

かいた汗がさらに体を冷やす原因となりますから、暖房が効いている屋内と寒い屋外では、こまめに着脱して調整しましょう。

首や手首、足首などの「首」という字のつく部位は、皮膚の近くを動脈が走っているので、これらを温めると温かい血液が全身へとまわり、体温も上昇します。

首はマフラーやネックウォーマーで温め、手首や足首は露出しないことです。中でも、首が冷えると、首や肩の筋肉のこりや自律神経の異常が起こり、さまざまな不定愁訴を引き起こします。

くつろぎながら温める

家庭での入浴や、就寝中に効果的な方法をご紹介します

ぬるめの湯に30分の入浴体全身を温める、全身の血行を促す、リラックスして副交感神経が優位になる、ストレスを解消するなどといった入浴による効果は見逃せません。

41℃以上の熱い温度を好む人もいますが、いきなり熱い温度につかると、血管が収縮し、血圧が上昇します。38〜40℃の少しぬるいと感じるくらいの温度に肩までつかるのがいいでしょう。最低でも10分、できれば30分は肩までつかっておきたいものです。途中で辛く感じたら、いったん湯からあがったり、腕や肩、上半身を出したりして調整しましょう。

寝入りやすくなる温め方就寝中でも私たちの体は休むことはありません。この間に体のトラブルも修復されます。中でも重要なのが、細胞が新しく生まれ変わる新陳代謝です。特に午後10時〜午前2時はこれらが活発に行なわれています。午後10 時までには就寝するのが理想です。

手足が冷たくて眠れない人がいます。電気毛布よりも、時間がたつと自然に温度が下がる湯たんぽがいいでしょう。エアコンやストーブで部屋を温めたまま寝てもかまいませんが、布団をはいだり、汗をかいたりすると、かえって体を冷やします。タイマーをかけて夜中に切れるようにしておくことです。

いったん上がった体温が手足に逃げて下がり始めるときに眠気を感じます。寝つきの悪い人は、手足が冷えないことが肝腎です。

寝る前に首をタオルで覆うか温熱シートを首の下に貼る方法もあります。体温がうまく手先や足先から逃げて寝入りやすくなるのです。

足がむくんでいる人は、細胞の間に余分な水分がたまっており、それが体を冷やします。足先を少し高くして寝るといいでしょう。

(ノジュール2014年12月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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