老後に備えるあんしんマネー学 第61回
さまざまな情報が飛び交うなか、老後資金に不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
お金を上手に管理して、老後を安心かつ心豊かに暮らすための、備えのマネー術を紹介します。
12月には資産の棚下ろしをして
1年間の家計収支の把握を
2025年も年の瀬が迫ってきました。今年は皆様にとって、どのような年でしたでしょうか。家計収支については、予想していたより貯蓄が増えたご家庭、逆に思わぬ支出などで貯蓄が減ってしまったご家庭の、どちらもあると思います。12月号では2025年の貯蓄状況を確認するために、1年間の家計収支の総決算を取り上げます。

家計簿はまとめページで
今年の家計収支の計算をまず、家計簿を1年間付け続けた方は、12月末に2025年の家計収支の総決算を行いましょう。総決算をするためには、各月の支出額に1年間に使った特別支出額を加算して、年間の支出総額を計算する必要があります。
紙の家計簿を使っている場合は、家計簿の最後あたりに、「1年間の収支まとめ」のようなページが設けられているのが一般的です。そのページに各月の支出額を転記して、2025年に使ったお金の総額を計算しましょう。年間収入から使ったお金の総額を差し引いた金額が、2025年の貯蓄(黒字)額、あるいは赤字額になります。
特別支出額を加算して
1年間の支出総額を算出家計簿アプリを使っている方は、日々の支出や各月の収支などは自動計算されているはずです。各月の収支を見ると、貯蓄が増えているように感じるのではないかと思いますが、年間の正確な貯蓄額を計算するには、特別支出額を加算する必要があります。
使用しているアプリによっては、特別支出を費目として、各月の支出に含められるものもあります。特別支出を費目にできるのは便利ですが、家電の買い替え費用や固定資産税、自動車税のように、数万円から10数万円出ていくお金を、月々の家計に入れてしまうと、支出額の変動が大きくなってやりくりが安定しません。
そのため、特別支出は日々の支出と分けて総額を計算できるような設定にするのがおすすめです。そのうえで、各月の支出額と特別支出額の総額を合算して、1年間の支出総額を計算するのが適切です。
はたなか まさこ
ファイナンシャルプランナー。
新聞・雑誌・WEBなどに多数の連載をもつほか、セミナー講師、講演を行う。
「高齢期のお金を考える会」「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。
『70歳からの人生を豊かにするお金の新常識』(高橋書店)など著書多数。
