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疲れを手離し、身体も心も蘇る
癒やしの現代湯治
寒さ厳しいこの季節。湯治宿で心身をじっくりほぐしませんか。
知っているようで意外と知らない湯治の歴史や効能を紐解きつつ、実際に逗留して感じた魅力をルポ形式で紹介。
後半では全国の湯治宿も案内します。
Q そもそも湯治って何?湯治とは、「湯で治す」と書くとおり、温泉を活用した日本古来の養生法。起源は奈良〜平安時代ともいわれ、戦国時代には武士が刀傷を癒やしに湯治場を訪れました。江戸時代には庶民にも湯治が普及、幕臣や大名、藩士は湯治願を幕府に提出して、出かけていたそうです。明治から昭和の中ごろにかけては、農民や炭鉱民が、休耕期や閑散期に数週間から数カ月にわたって湯治宿に滞在。温泉に繰り返し入浴して疲労を癒やしたり、慢性的な不調の回復を目指したりしました。
Q 温泉宿と湯治宿の違いは?温泉宿は一般的に、上げ膳据え膳のおもてなしや豪華な料理を楽しめる所。一方の湯治宿は、温泉に浸かり養生するのが目的のため、長期滞在しやすいよう宿泊料は比較的リーズナブル。客室は簡素で、自炊が基本、アメニティー類を自分で用意する必要がある宿も多く見られます。近年では、身体に優しい食事やヨガ・運動・ウォーキングなどのウェルネスプログラムを用意する現代版の湯治宿も登場しており、ヘルスマネジメントできる施設として再び関心が高まっています。
Q 湯治宿ではどう過ごす?温泉に身を委ね、軽めの運動をし、胃腸に負担をかけない食事を心がける。そうして心身をメンテナンスするのが湯治宿での基本的な過ごし方。湯治ビギナーなら、宿が提供するプログラムに参加するのもいいでしょう。とはいえ決して難しく考える必要はなく、温泉に浸かってぼんやりのんびりするのが最善。その余白の時間の中で、ふと湧いてくる自分の素直な気持ちと向き合い、あるがままに過ごす。1泊2日でその境地に至るのは難しいので、2泊3日以上の連泊がおすすめです。
Q 現代において、湯治をするメリットは?かつての湯治は重労働で疲れた身体を癒やす場所でしたが、今の時代は心身両面をケアするものへと変わってきています。疲れた心身を温泉に浸して解き放てば、疾病リスクの軽減といった身体的健康はもちろん、心がリフレッシュされることで得られる精神的健康、さらにモチベーションやクリエイティビティ向上による社会的健康も期待できます。健康診断のように、年に一度、湯治宿を訪れ、自分の身体と心を見つめ直す時間をもってみてはいかがでしょうか。
