サクッと15分 京懐石の老舗が教える旬のおかず 第8回

創業85年の京料理店「木乃婦」のご主人に教わる旬の食材で作るおかず。
京の老舗の味を家庭で手軽に味わいましょう。

アスパラフライ 半熟玉子ソース

文=山口春菜(エディットプラス) 写真=鈴木誠一

サクッと揚がったアスパラに
とろとろ卵とたっぷり鰹節
ジューシーな食感と青々とした香りで、初夏を彩るアスパラガス。旬には美味しさだけでなく、その太さもピークを迎える。そこで今回は、まるまる一本をフライにした食べ応えのあるメニューを紹介。

まずは、ソースとなる半熟卵の準備。「今日のフライは半熟卵と醤油ダレを絡めて楽しみます。黄身がとろりと流れるぐらいの仕上がりなら、ゆで時間は5〜6分。冷水で一気に冷やせば、殻もむきやすいですよ」と髙橋さん。

表面がなめらかなアスパラは、小麦粉や卵がつきにくいこともある。その場合は、溶き卵に少し小麦粉を混ぜて粘度を出したり、衣を二度づけしたりするといい。「通常のフライよりもしっかり衣をつけると、中の水分が逃げにくいので美味しく仕上がります」。揚げ物とはいえ、アスパラガスの太さであればフライパンでも充分。サクッと揚がれば、半熟卵と醤油ダレ、そして菜花と花わさび、山盛りの鰹節を。「黄身と一緒に鰹節をフライにまぶしながら食べると一気に和のテイストに。花わさびの苦みと香りもアクセントになるので、ひと皿でいろいろな味の変化を楽しんでください」。

作り方

  1. 鍋に湯を沸かし、沸騰してから卵を入れ、5〜6分火にかけて半熟卵を作る。濃口醤油と酒は小鍋に入れて火にかけ、軽く煮立ったら水溶き片栗粉でとろみをつけて冷ます。

  2. 菜花と2㎝の幅に切った花わさびは、さっと湯がいたあと、冷水に入れて水気を切る。菜花を食べやすい大きさに切り、花わさびと混ぜ合わせておく。

  3. アスパラガスの皮が硬い所はピーラーで皮をむく。小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけてフライの準備をする。

  4. フライパンに1〜2㎝の油を入れて180度で、アスパラガスの衣がキツネ色になるまで揚げる。お皿にアスパラガスと半熟卵、《2》を盛り、《1》の醤油ダレをかけて、鰹節を添える。

京料理 木乃婦〈きょうりょうり きのぶ〉
電話: 075-352-0001
住所: 京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416
営業時間: 11時30分~14時30分、18時~19時30分
定休日: 水曜
旬の会席1万6500円~2万7500円

(ノジュール2021年5月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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