サクッと15分 京懐石の老舗が教える旬のおかず 第11回
創業85年の京料理店「木乃婦」のご主人に教わる旬の食材で作るおかず。
京の老舗の味を家庭で手軽に味わいましょう。
ウナギを部位で使い分け
ご飯がすすむ、山椒薫る一品に夏といえばウナギ。「鰻屋を繁盛させるために始まった」とされる土用の丑の日だが、今や一年を通して最もウナギが出回るのは夏。豊富に含むビタミンは夏バテの予防にも効果てきめん。今の季節こそ楽しみたい食材だ。「今回の材料はシンプルにウナギとゴボウの2つだけ。ウナギは蒲焼になっているものを利用すればいいので簡単です」と、髙橋さん。
まずはゴボウをささがきに、ウナギは食べやすい大きさに切る。「ウナギは、真ん中はそのままいただく用に、端は炊く用に使います。同じ1尾でも調理法を工夫すれば、おいしさの幅も広がりますよ」。そのまま楽しむウナギは、グリルなどで軽く温めておこう。ささがきしたゴボウは出汁で炊き、やわらかくなってから味付けを。「ゴボウは味が染み込みにくい野菜です。出汁を吸わせてから調味料を加えると味が入りやすいですよ」。調味料を加えるタイミングで、両端部分のウナギと山椒を加え、汁気がなくなるまで煮詰めよう。「今回は粉山椒を使いましたが、実山椒があればぜひ使ってください。さらに風味が豊かになりますよ。煮詰まってほろほろになったウナギは、ご飯と混ぜても、ワサビを添えてお茶漬けにしても最高です」。
作り方
- ゴボウを水でしっかり洗い、ささがきして軽く水にさらす。ささがきはピーラーを利用してもOK。
- ウナギの両端それぞれ1/3を1〜2cm幅に切る。残りのウナギはグリルかレンジで軽く温め、1cm幅に切っておく。
- 出汁と《1》を火にかけ、ゴボウがやわらかくなるまで炊く。
- 濃口醤油、酒、みりん、粉山椒、両端部分のウナギを入れて、汁気がほぼなくなるまで煮詰める。温めたウナギとともに器に盛り付け、ワサビを添える。
京料理 木乃婦〈きょうりょうり きのぶ〉
電話: 075-352-0001
住所: 京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416
営業時間: 12時~14時30分、18時~19時30分
定休日: 不定休
予約: 旬の会席1万6500円~2万7500円