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その角を曲がれば芸術に出合える

岡山・倉敷の
最旬アートスポットへ

文=安岡遥(エディットプラス) 写真=ハリー中西

2024~2025年にかけて、THE RABBIT HOLEや福武トレス、大原美術館 児島虎次郎記念館など、オープンラッシュが続く岡山市と倉敷市。
美術ファンの間でも注目のエリアへ出かけました。

不思議なアートの世界へ
想像力を羽ばたかせる
瀬戸内国際芸術祭2025に湧く、瀬戸内エリアにある岡山市。岡山後楽園や岡山城を中心とする通称「岡山カルチャーゾーン」に、2025年4月オープンしたのが、石川文化振興財団による初の現代美術館・THE RABBIT HOLEだ。総数400点を超える現代アートコレクション「イシカワコレクション」のうち36点を常設展示する同館と、別館の福岡醤油ギャラリーを皮切りに、今後20年で計18のアート施設が岡山市内にオープンする予定だという。

印象的な施設名は、童話『不思議の国のアリス』の作中で不思議の国への入口となったウサギの穴が由来。ボロボロに傷ついた巨大なぬいぐるみや、受話器から英語の詩が流れる黒電話など、「これがアートなの?」と驚かされるような作品が並ぶ館内は、まさに不思議の国だ。作品のテーマやそこに込められたメッセージがひと目で分からないからこそ、イマジネーションを働かせる楽しみがある。時間が経つのを忘れて見入っているうちに、いつの間にかお昼どきになっていた。

ウサギの穴から日常に戻って昼食にしよう。岡山市内で御領園秀昭〈ごりょうぞのひであき〉さん・美耶子〈みやこ〉さん夫妻が営むcafe Antennaへ向かう。美耶子さんのお母さんが、神戸でスリランカ人から直々に教わったというカレーがお目当てだ。隠し味に桃のチャツネを加えたサラサラのスリランカカレーは、ルーとご飯をまんべんなく混ぜて食べるのがコツ。複雑にブレンドされたスパイスの刺激が食欲をかき立て、トッピングされた野菜も完食した。

食後には、名物の白桃プレミアムパフェをオーダー。桃が丸ごと1個トッピングされたインパクト満点のビジュアルに心が弾む。ほどよい歯ごたえとみずみずしい果汁が、スパイスでほてった舌をクールダウンしてくれた。

(ノジュール2025年9月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)

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