老後に備えるあんしんマネー学 第59回
さまざまな情報が飛び交うなか、老後資金に不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
お金を上手に管理して、老後を安心かつ心豊かに暮らすための、備えのマネー術を紹介します。
子どもの結婚資金の援助の
平均はどのくらいですか?
50代から60代にかけては、お子さんが結婚されたり、初孫が誕生されたりするご家庭も多いでしょう。お子さんの結婚や孫の誕生は喜ばしい反面、どのくらい親が負担するのが一般的なのか悩むご家庭も多いのではないでしょうか。そこで今月は、結婚資金を中心に、お子さんへの資金援助を考えます。
挙式、披露宴、パーティーの
結婚費用の総額から見ていきましょう。挙式、披露宴、パーティーにかかった費用の総額は、全国平均で343万9000円になっています。これは2023年の調査の327万1000円から、16万8000円ほど、アップした金額になります。
昨今の金額の変化を見てみると、コロナ禍の影響を受けた2021年は、292万3000円と、近年では唯一300万円を下回りました。2020年の362万3000円から70万円も下がった結果でしたが、翌2022年以降は右肩上がりに増えています。
かかった費用を年齢別でご紹介すると、新婦が25歳から29歳のケースが一番高く、361万2000円、次が24歳以下の338万1000円になっています。新婦の年齢が35歳以上になると、268万3000円に下がり、25歳から29歳のケースより100万円近く抑えられています。
結婚関連では4組に3組ほどの
親や親族からの援助額を地域別に見ていくと、一番多いのが、富山・石川・福井県の北陸地方で、金額は202万円。2位は東海地方の190万円です。挙式が豪華なことで知られる東海地方よりも、北陸地方の金額が多いという結果が出ています。逆に、一番少ない地域は、北海道の124万1000円になっています。
披露宴の費用については、ある程度ご祝儀でまかなえますが、ご祝儀はお子さんたちの手元に入るのが一般的です。そのため、親の援助は、そのまま親側の負担になるお金です。
はたなか まさこ
ファイナンシャルプランナー。
新聞・雑誌・WEBなどに多数の連載をもつほか、セミナー講師、講演を行う。
「高齢期のお金を考える会」「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。
『70歳からの人生を豊かにするお金の新常識』(高橋書店)など著書多数。