老後に備えるあんしんマネー学 第63回

さまざまな情報が飛び交うなか、老後資金に不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
お金を上手に管理して、老後を安心かつ心豊かに暮らすための、備えのマネー術を紹介します。

シニア割引を上手に
活用していますか?

文=畠中雅子 イラスト=谷山彩子

食品や光熱費など生活コストの値上がりで、レジャー費を抑えるご家庭が増えているようです。レジャー費を上手に節約しながら、日常生活を豊かにしたいところです。

そこで今月取り上げるのは、「シニア割引」。55歳以上、60歳以上など、一定の年齢以上になると、利用料金が割引になる制度をご紹介します。

映画館の鑑賞料金は
50歳以上でペア割引も
シニア割引でよく知られているのは映画館や美術館、博物館のシニア割引ではないでしょうか。映画館を例に挙げると、55歳以上ならシニア割引料金で鑑賞できるのが一般的です。例えばMOVIX系列では、60歳以上なら通常2100円がシニア割引の1400円で鑑賞できるほか、2人で鑑賞する場合はどちらかが50歳以上であれば、夫婦でも友人同士でも2人で3200円になる「ペア50割引」の制度もあります。また、イオンシネマでは、「ハッピー55(G.G)」として55歳以上の方の鑑賞料金が1200円になるほか、「夫婦50割引」は夫婦のどちらかが50歳以上であれば、鑑賞料金が2400円になります。年齢を証明するマイナンバーカードなどを持参しましょう。

飲食費が割り引かれるプラチナパスポート次は、飲食関連のシニア割引をご紹介します。私がよく利用しているのは、すかいらーくグループが実施している「プラチナパスポート」。プラチナパスポートはガストやジョナサン、バーミヤンなどの飲食費が5%引きになるカードです。利用時に「プラチナパスポートが欲しい」と伝えれば、その場でカードを発行してくれます。カードを提示するだけで6人までの飲食費が5%引きになります。プラチナパスポートは無料で発行してくれるので、ファミリーレストランを利用する機会のある方は手に入れてはいかがでしょうか。

宿泊割引を使う場合はほかのWEBサイトと比較したいホテルや旅館でも、一定年齢以上の方の宿泊料を割り引く制度を実施している所があります。例えば「50歳からのじゃらん」では、50歳以上の方を対象に限定プランを扱っています。ほかにも、夫婦の年齢が100歳以上だと割り引かれるプランを扱っている宿泊施設も。ただし、ホテルのシニア割引については「以前は実施していたけれど、現在は行っていない」という所が増えているようです。シニア割引を利用するより、ホテルの比較サイトから予約したほうが、安い料金で泊まれるケースもあるので、シニア割引があっても、ほかのWEBサイトで料金比較する習慣をつけるとよいでしょう。

はたなか まさこ
ファイナンシャルプランナー。
新聞・雑誌・WEBなどに多数の連載をもつほか、セミナー講師、講演を行う。
「高齢期のお金を考える会」「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。
『70歳からの人生を豊かにするお金の新常識』(高橋書店)など著書多数。

(ノジュール2026年1月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)

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