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ものがたり列車でつなぐ

四国半周おもてなしの笑顔

文・写真=坪内政美

四国を走るおもてなし観光列車「ものがたり列車」。
今春デビューした二代目「伊予灘ものがたり」から秘境の地を巡る「四国まんなか千年ものがたり」へと海と山の絶景を乗り継ぐ旅に出かけました。


今年登場の〝二代目〟には
フィオーレスイートを連結

「伊予灘ものがたり、新しくなったから乗りにおいで」と愛媛の友人に誘われて、JR松山駅で合流した。「伊予灘ものがたり」はJR松山駅から伊予大洲〈いよおおず〉駅・八幡浜〈やわたはま〉駅の区間を週末を中心に1日2往復する観光列車。午前便の「大洲編」「双海〈ふたみ〉編」、午後の「八幡浜編」「道後編」の計4便があり、時間ごとに表情を変える伊予灘の絶景を満喫できる。

2014年に初代となるキハ47形2両を大改造して人気を集めたが昨年引退。活躍した7年半で、のべ14万人に愛され、その乗車率は9割を超えていたという。そんな伊予灘ものがたりの「二代目」がこの春デビューしたということで、四国の友人3人とともに「八幡浜編」に乗ることにした。お目当ては新設された3号車「陽華〈はるか〉の章」。〝Fiore Suite〈フィオーレ スイート〉〞と名付けられた定員8人のグリーン個室で、窓に向かってペアシートが4つ囲むように配置されまるで高級ラウンジのよう。1室の料金設定で2名から利用できるので、贅沢にも4人で満喫する。ウェルカムドリンクの濃厚なみかんジュースを味わうもの、大きな窓に張り付いて興奮冷めやらぬもの、ほかの乗客に気兼ねなく過ごせるのも個室ならでは。愛媛名産のみかんをイメージした照明や、壁に描かれた原寸大の桜マークの花びらにはレアモノが紛れている!など、楽しい仕掛けが随所に散りばめられている。

(ノジュール2022年7月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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