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泊まらなくても楽しめる

都会のホテル

文:山口あゆみ、佐々木ゆり、坂本真由美 写真:大橋賢、関 暁、合田慎二、市原浩二、平賀 元

国際的なスポーツイベントの開催や外国人観光客の増加で、サービスにますます磨きがかかっている都会のホテル。
宿泊者にとってだけでなく、ひととき訪れたゲストにも非日常の時間を与えてくれます。
朝食、アフタヌーンティー、バーラウンジのハッピーアワー、美術鑑賞、庭園散策・・・・・ホテルの利用方法はいろいろ。
この秋は、一流ホテルのおもてなしを泊まらずに、たっぷりと楽しんでみませんか。

大倉集古館で、
珠玉の名品を愛でる

1917年、日本初の私立美術館として誕生した大倉集古館。
大倉財閥を興した、大倉喜八郎と2代目の喜七郎が集めた 日本とアジアの古美術品、日本近代絵画などが収蔵されています。
関東大震災で建物は被災。その後、築地本願寺や 平安神宮を手がけた伊東忠太の設計で1928年に再建された建物が、5年におよぶ増改築工事を経て9月12日にリニューアルオープンしました。

The Okura Tokyo
大倉集古館

名称も新たに誕生したTheOkuraTokyoは、1964年東京オリンピックを控え、1962年にオークラホテル(旧本館)として産声をあげたのが始まりだ。

目の前に立つ大倉集古館は、霊南坂、江戸見坂、汐見坂に囲まれた広大な敷地内の一角にあり、中国の古典様式を取り入れた建物は、1998年に国指定の登録有形文化財となっている。

関東大震災では多くの収蔵品が焼失したが、「普賢菩薩騎象像」(12世紀)や藤原定実筆「古今和歌集序」(12世紀)など3点の国宝をはじめ、重要文化財13点、重要美術品44点を含む約2500点が現存。そのうちの一部を、今回のリニューアルに伴い開催されている「桃源郷展―蕪村・呉春が夢みたもの」と同時開催中の「大倉集古館名品展」で鑑賞できる。

建物の規模は大きくないが、館内には見応えたっぷりの名品がずらりと並ぶ。“オークラ散歩”の途中で立ち寄り、芸術の秋を堪能してはどうだろう。

オークラ散歩
絶景のプレステージタワー、
くつろぎのヘリテージウイング

古くは創業家、大倉家の私邸があった土地にそびえるTheOkuraTokyo。地上41階建ての「オークラプレステージタワー」と17階建ての「オークラヘリテージウイング」が、ロビー階でつながり、2つのブランドでスタートした。

グルメスポットは2棟合わせて全9店舗。日本料理店やフランス料理店などすべてホテルの直営店で、いずれもゆったりと落ち着いた雰囲気だ。なかでもぜひ訪れたいのが、プレステージタワー最上階にある鉄板焼「さざんか」とバーラウンジ「スターライト」。海抜約25mほどの場所にある41階なので、息をのむほどの絶景だ。

館内のいたる所を飾る意匠も見どころ。また喧噪をへだてるように広々とした庭もある。まずはプレステージタワーのロビーから“オークラ散歩”を。食欲と芸術の秋をぜひ、話題の最新スポット巡りではじめたい。

(ノジュール2019年10月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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