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信州・松本の国宝建築巡り

松本城

文:塩田典子 写真:宮地 工

「旧開智学校校舎」は、今年9月に国宝指定された‶最新国宝“。
江戸の名建築・松本城と、明治の建築美・旧開智学校校舎……。
信州が誇る国宝建築と、松本タウンの秋を楽しむプランです。

西に北アルプスを見晴らす
国内唯一の連結複合式天守
3000m級の秀峰が連なる北アルプスが冠雪する晩秋は、青空にくっきりと山稜が映えるすがすがしい季節。岳都・松本が誇る「松本城」に続き、「旧開智学校校舎〈きゅうかいちがっこう〉」が今年9月に新しい国宝に指定され、改めて今、松本は注目を浴びつつある。

今回は、それぞれの施設に専属のボランティアガイドを付けて、国宝としての見どころについて解説を受けながら巡ってみた。

先に訪れたのは松本城。外国人観光客も多いため、天守閣へは午前中早めの来訪がおすすめだ。まず黒門前案内所で松本城案内グループの小岩井定男さんと合流した。太鼓門や二の丸・本丸御殿跡などの案内を経て、内堀越しに国宝に指定された大天守・乾小天守〈いぬいこてんしゅ〉・渡櫓〈わたりやぐら〉・辰巳附櫓〈たつみつけやぐら〉・月見櫓〈つきみやぐら〉の五棟を目の前にする。「松本城天守群は戦国末期に戦いのために造られた天守と、江戸初期の平穏な時代に造られた櫓が結合した連結複合式なのが特徴です。異なる役割を持ちながらも調和し、どの角度から見ても美しいんです」と小岩井さん。大天守・渡櫓・乾小天守は55ヵ所の鉄砲狭間に57ヵ所の矢狭間、11ヵ所の石落を設ける堅牢な造りとなっているのに対して、辰巳附櫓・月見櫓は開放的で優雅な造りと分かる。ガイドは天守内に同行しないため、事前に見どころを教えてもらい見学の参考にした。

特に印象深かったのが天守1階の武者走りと天守3階の隠し階。武者走りとは戦の際、武士が矢玉を持って走った部分で、柱の内部より一段低い幅一間の通路。天守台の歪みを反映して四面とも壁が内側に湾曲しているが、武者走りで調整することで柱の内部は正長方形に。また2階の屋根に隠れた隠し階の3階は、武器の倉庫や武者溜りとして使用。格子窓からのわずかな光に、手斧削りのはつり紋が浮かび上って見えた。

(ノジュール2019年11月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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