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「天下布武」への足掛かりとなった名城
織田信長 ✕ 岐阜城
文・写真=上永哲矢
斎藤氏から奪い取った稲葉山城を大改修し、街の名を「岐阜」と改めた織田信長。
天下統一への足掛かりとなった 山城からの絶景と、
〝おもてなし〞好きだった信長の 息吹を感じる岐阜の旅へ―。
街のシンボル・金華山と
信長による「岐阜」命名岐阜駅を降りると、「よくぞ参った」と言わんばかりに、駅前広場に立つ黄金の織田信長公像が迎えてくれる。戦国武将をご当地ヒーローとして崇める街は多いが、この岐阜市に信長の存在は欠かせない。
かつて井口〈いのくち〉と呼ばれていたこの街を、中国の故事に倣い、「岐阜」と改めたのが信長であることが、彼の生涯を綴った『信長公記〈しんちょうこうき〉』にも記されている。
信長の絵がラッピングされた市内ループバスで、いざ岐阜城へ。ほどなく前方に緑豊かな山が見えてくる。これが金華山〈きんかざん〉(かつての稲葉山)で、見上げたその頂に佇む建物こそが岐阜城天守だ。現在の岐阜城天守は昭和31年(1956)に再建されたもの。市街地からは大体どこにいても天守を望むことができ、街のシンボルとなっている。