サクッと15分 京懐石の老舗が教える旬のおかず 第1回

創業70年の京料理店「木乃婦」のご主人に教わる旬の食材で作るおかず。
京の老舗の味を家庭で手軽に楽しみましょう。

秋なすと
鰆〈さわら〉の付け焼き

文=山口春菜(エディットプラス) 写真=鈴木誠一

はりのある秋なすを
色よくジューシーに
9〜10月頃になると、スーパーに並ぶ艶々の秋なす。「嫁に食わすな」とまでいわれるおいしさの理由は、夏に出回るものよりも水分が豊富で種が少なく、やわらかい肉質のものが多いからだ。今回は、そんな秋なすのみずみずしさを引き出した、ご飯ともお酒とも好相性の一品。レシピの肝は、シンプルに見えて難しい食材の火の入れ方だ。「ナスも鰆〈さわら〉も、最初に火を通し過ぎないのが重要。一度取り出すときは半生ぐらいの状態で大丈夫ですよ」と髙橋さん。ナスは皮面から焼くのもポイントで、「熱した油で皮を一気に焼き上げれば、きれいな紫色を保つことができる」という。最後の仕上げでは、食材を味噌地にざっと絡める程度で。鰆にまぶした片栗粉の効果で、味噌地にほどよいとろみもつく。「鰆はしっとり、ナスはほどよい歯ごたえとジューシーな仕上がりを目指しましょう。今回は鰆を使いましたが、タラやマスなど、淡泊な魚ならなんでも合いますよ」。レモンは搾らず、ひと口大に切ったものを一緒に炒めるという使い方もユニーク。「ほのかな酸味がアクセントになるので、ぜひ試してみてください」。

作り方
下ごしらえ…鰆の両面に塩をふって15分置く

  1. ナスはヘタを取って縦に4等分に切り、水に浸す。赤パプリカとピーマンはヘタと種を取り、約8㎜の輪切りにして水でさっと洗う。レモンは皮をむいて8等分に切る。

  2. 味噌地の材料をボウルに入れ、混ぜ合わせる。
  3. 鰆の全体に片栗粉をまぶす。

  4. ナスの水分をペーパーでふき取り、フライパンに多めのサラダ油を入れ、皮から焼く。続いて鰆を焼く。それぞれ半分ほど火が通ったら取り出す。

  5. フライパンの油をふき取り、2を入れ、軽く煮立ったら4を戻す。赤パプリカ・ピーマン・レモンを加え、火であおりながら絡めて仕上げる。

京料理 木乃婦〈きょうりょうり きのぶ〉
電話: 075-352-0001
住所: 京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416
営業時間: 11時30分~14時30分、18時~19時30分
定休日: 水曜
予算: 昼のミニ会席5500~7700円、旬の会席1万
5750円~2万7500円

(ノジュール2020年10月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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