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奉納楓が錦繍に染まる万葉の里

太宰府

文=宮本喜代美 写真=松隈直樹、宝満宮 竈門神社、太宰府天満宮、九州国立博物館、西日本鉄道

福岡屈指の紅葉スポットとして名高い竈門神社や太宰府天満宮。
さらに九州国立博物館で古美術を愛で、散策後の休憩は古民家カフェにて、梅ヶ枝餅でほっと一息……。
「令和」ゆかりの地・太宰府で、紅葉も芸術も食も味わい尽くす秋の旅を。

参道に植わるカエデ300本が
境内を一斉に真紅に染める
西鉄太宰府駅前からコミュニティバス「まほろば号」に乗り、一路、宝満山〈ほうまんざん〉方面へ。宝満山は、山岳信仰の霊峰としては鳥海山〈ちょうかいさん〉(秋田県・山形県境)、富士山に続いて3例目の国史跡に指定された霊験あらたかな山。「宝満宮竈門〈かまど〉神社」はその麓にあり、今から1350年ほど前の7世紀後半、大宰府政庁が置かれる際に鬼門除けとして祀られたのが起源と伝わる古社だ。玉依姫命〈たまよりひめのみこと〉を祀り、良縁成就の神として広く信仰されているほか、最近では大人気漫画の聖地としても注目を集めている。宝満宮竈門神社が紅葉の名所として高い人気を誇る理由は、その色にある。「境内で色づく木々はほとんどがカエデなんです。紅葉のピーク時は、境内がカエデの赤一色に染まり圧巻ですよ」と教えてくれたのは権禰〈ごんねぎ〉宜の是則慶秀〈これのりよしひで〉さん。「参道に沿って300本を超えるカエデが植えられていますが、これは、毎年春に厄明けの御礼として地域の人々が奉納植樹してくださったものです」。

ちなみに、カエデは緑から黄→橙→赤と色を変えるが、色づき始めは葉に緑色の色素が残っているため、葉の色が少し濁る。が、赤くなるほどに緑色の色素が抜け、見頃には鮮明な赤色になるのだそうだ。見頃は例年11月中旬から下旬。あいにく、今年の「もみじ祭り」は開催見送りとなったが、恒例のライトアップは11月14〜29日の日没から午後9時まで行うとのこと。闇夜に浮かび上がる社殿の荘厳な姿と、燃えるように赤いカエデの競演は息をのむ美しさ。

(ノジュール2020年11月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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