サクッと15分 京懐石の老舗が教える旬のおかず 第5回

創業85年の京料理店「木乃婦」のご主人に教わる旬の食材で作るおかず。
京の老舗の味を家庭で手軽に楽しみましょう。

牛肉の柳川風鍋

文=山口春菜(エディットプラス) 写真=鈴木誠一

土の香りと心地よい食感
旬のゴボウに春を添えて
今回の食材は11〜2月に旬を迎えるゴボウ。決して派手さはない食材だが、独特の香りと食感はさまざまな料理の下支えになる。食物繊維が豊富であることもうれしい。「柳川風はゴボウを使った料理の代表格。ちょっとぜいたくに鰻を使うのもおすすめですが、今回は気軽に楽しめる牛肉と組み合わせました」。そう話す髙橋さんが取り掛かったのは、ゴボウのささがき。「ゴボウの表面に縦に切り目を入れてからささがきにすると、細く仕上がるので火の通りも早いですよ。縦に入れる包丁の目の幅で仕上がりの太さが決まるので、より細く仕上げたいなら、細かく目を入れてみてください」。水にさらしてアクをとったら、煮立てただしにゴボウと牛肉を入れ、卵でとじるだけ。ゴボウも牛肉もあっという間に火が通るので、卵はあらかじめ溶きほぐしておこう。

シンプルな今回のレシピのアクセントとなるのがフキノトウ。「春のほろ苦さを感じる大人の味わいに仕上げましょう。フキノトウは油と合わせると苦みがやわらいで食べやすくなりますよ。2月になればスーパーにも並びますので、食卓でも活用してみてください」。

作り方

  1. ゴボウを包丁でささがきして水にさらす(難しい場合はピーラーを使ってもOK)。牛肉は食べやすい大きさに切る。

  2. フキノトウは中のつぼみを手でちぎり、外側の皮は細かく刻む。サラダ油をひいたフライパンで軽く色づく程度まで弱火で炒め、キッチンペーパーにとって油をきっておく。

  3. ボウルに卵を溶きほぐしておく。だしと調味料を合わせて鍋に入れて、火にかけ沸騰してきたらゴボウ、牛肉の順に入れる。

  4. 牛肉に火が通りかけたところで卵を流し入れ、仕上げに《2》をふりかける。

京料理 木乃婦〈きょうりょうり きのぶ〉
電話: 075-352-0001
住所: 京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416
営業時間: 11時30分~14時30分、18時~19時30分
定休日: 水曜
予算: 昼のミニ会席5500~7700円、旬の会席1万
5750円~2万7500円

(ノジュール2021年2月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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