サクッと15分 京懐石の老舗が教える旬のおかず 第7回

創業85年の京料理店「木乃婦」のご主人に教わる旬の食材で作るおかず。
京の老舗の味を家庭で手軽に味わいましょう。

筍と鯛の和風カルパッチョ

文=山口春菜(エディットプラス) 写真=鈴木誠一

薬味が引き立てる筍の甘み
春の食感と味わいを満喫
いよいよ春到来。この季節に食べたくなる食材といえば、4月が旬の筍。和食から洋食まで幅広く使える食材だが、今回はそのみずみずしい食感とやさしい甘みをカルパッチョでいただこう。「生の筍はあくが強いので下準備には時間がかかりますが、ここはしっかりと」と髙橋さん。「ぬかを入れた鍋で2時間ほど下茹でして、じゅうぶんに水にさらす必要があります。手間はかかりますが、生の筍が手に入ったらぜひ挑戦してください。今回はより簡単に、水煮でも作れるレシピです」。筍の水煮はもちろんそのままでも食べられるが、筍特有のクセを取り除くため、薄切りにしてからさっと湯通しをしたい。筍に合わせるのはやはり春の食材、鯛。今回はサクで調理したが、刺身用に切られたものを使えばさらに時間短縮できる。

今回の料理のポイントは上品な香り胡麻油。薬味の三つ葉や木の芽と胡麻油を和えたソースが、筍や鯛の淡泊な味わいを引き締めてくれる。「薬味は好みのものを使ってください。レモンや柚子の皮を刻んだものなど、柑橘系の香りを足してみるのもおすすめ。爽やかな風味が加わって、また違ったおいしさが楽しめますよ」。

作り方

  1. ポン酢と出汁を小鍋に入れて火にかける。軽く煮立ったら水溶き片栗粉でとろみをつけて冷ましておく。

  2. 筍を穂先と根元に分け、それぞれを薄切りにしてさっと湯通しし、冷水にさらして水気を切る。菜花は軸を揃えて切り、さっと湯がいて冷水にさらし、粗熱をとったら水気を切る。

  3. 鯛の身を薄く切る(刺身用に切られたものを使用する場合はそのままでOK)。

  4. 1.5〜2㎝に切ったクレソンと三つ葉、ちぎった木の芽と太白胡麻油を混ぜ合わせソースを作る。器に盛った《2》、《3》に《1》とソースをかけ、岩塩を添えて仕上げる。

京料理 木乃婦〈きょうりょうり きのぶ〉
電話: 075-352-0001
住所: 京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416
営業時間: 11時30分~14時30分、18時~19時30分
定休日: 水曜
予算: 昼のミニ会席5500~7700円、
旬の会席1万6500円~2万7500円

(ノジュール2021年4月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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