サクッと15分 京懐石の老舗が教える旬のおかず 第12回

創業85年の京料理店「木乃婦」のご主人に教わる旬の食材で作るおかず。
京の老舗の味を家庭で手軽に味わいましょう。

里芋と蓮根の月見肉味噌あんかけ

文=山口春菜(エディットプラス) 写真=鈴木誠一

まろやかな肉味噌と
食感も楽しい、レンコン団子
秋の気配が恋しい9月のおかずは、サトイモとレンコンが主役。「十五夜ということで、月見団子に見立てた一品です」と髙橋さん。

まずはレンコンの下ごしらえから。「レンコンの粘りを生かして団子を作ります。9月頃から新レンコンが出回りますが、秋が深まるにつれてどんどん粘りが強くなりますよ」。秋口が旬のサトイモは、なり口を切り、すりおろしたレンコンとレンジへ。あれば蒸し器を活用してももちろん良い。出回り始めのサトイモはまだ小さいので、火の通りも早い。

加熱している間に肉味噌作りだ。牛ひき肉を炒め、調味料と一緒に鍋で煮詰めるだけの簡単なものだが、いろいろな料理に使える万能味噌。「卵を加えているのでまろやかで、天ぷらに付けてもおいしいですよ。日持ちするので作っておくと便利です」。加熱したレンコンは粘り気を増してもっちもち、丸めるのも楽しい。サトイモの皮がつるりとむけるのも快感だ。小麦粉をまぶし、多めの油で炒めたら味噌を添えて完成。サトイモもレンコンも一度加熱しているので、表面がカリっとすればOKだ。サトイモのねっとりした食感と、レンコンのもちもち感が楽しめ、甘辛い味噌に酒も進む。

作り方

  1. 皮をむいたレンコンをおろし金ですりおろし、布巾で軽く絞って塩を振り、耐熱皿に広げる。なり口を切って並べたサトイモとともに電子レンジで6分加熱する。

  2. 肉味噌あんを作る。牛ひき肉と酒を鍋に入れて炒め、肉に火が通ったら、混ぜ合わせておいた調味料(※A)を入れて弱火〜中火で10分ほど煮詰める。

  3. 加熱したサトイモは皮をむき、すりおろしたレンコンはサトイモと同じくらいの大きさに丸める。

  4. 丸めたレンコンとサトイモに小麦粉をまぶし、多めの油でほんのり色づくまで揚げるように炒める。器に盛り、肉味噌と刻んだ柚子の皮を添える。

京料理 木乃婦〈きょうりょうり きのぶ〉
電話: 075-352-0001
住所: 京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416
営業時間: 12時~14時30分、18時~19時30分
定休日: 不定休
予約: 旬の会席1万6500円~2万7500円

(ノジュール2021年9月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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