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浦島茂世さんが行く「前橋」

現代アートとノスタルジーが
入り交じり〝めぶく〞街へ

文=浦島茂世 写真=名和真紀子

懐かしい雰囲気を残しながらも、「建築・アートの街」として近年注目されている群馬県前橋市。
新幹線を使えば東京から1時間の距離ですが話題のアートホテルを拠点に、あえてのんびり1泊……。
美術ライターの浦島茂世さんが新旧の芸術を満喫する旅に出かけました。

住宅街にUFO!?
念願のびっくり建築へ
県庁所在地ながらも落ち着いた雰囲気の前橋市は、明治から令和までのさまざまな名建築や現代アートを楽しめる街として注目を集めている。新幹線停車駅の高崎から両毛線で約15分というアクセスの良さ、たいていの場所は歩いていけるコンパクトさもあり、ひとり旅にはもってこいの場所だ。

まずは一度見てみたいと思っていた、インテリアや建築を学べるフェリカ家づくり専門学校の敷地内に設置されているFUTURO〈フトゥロ〉へ。1968年にフィンランドの建築家によってレジャーハウスとして開発された近未来的なフォルムが特徴の可動式カプセル住宅だ。しかし、オイルショックの影響などで発表から10年も絶たず発売は中止。日本でオリジナルの形をとどめ、事前予約制ながらも内部を見学できるのはこの1棟だけだそう。「家やインテリアは自由であっていい。学生たちにそう感じてほしくてこの場所にFUTUROを設置することにしました」と、フェリカ家づくり専門学校の繁田尚子さんは語る。曲線を多用したフォルム、あざやかなパープルのインテリアを観ていると、たしかに自由な発想が湧いてきそう。

(ノジュール2023年5月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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