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雄大な大阪平野を一望
歴史とグルメ満喫の4社巡り
住吉大社・大鳥大社・枚岡神社・坐摩神社
大阪に鎮座する4社の一の宮を参拝する1泊2日の開運祈願の旅。
聖地の山から大阪平野の絶景を望み、太古からの信仰と悠久の歴史を感じながら大阪の一の宮を巡ります。
参拝の後は食い倒れの街·大阪で食べ歩きするのも楽しみです。
すみよっさんと親しまれ
参拝客で賑わう住吉大社大阪府内に鎮座している摂津国〈せっつのくに〉、和泉国〈いずみのくに〉、河内国〈かわちのくに〉の一の宮、4社を巡る1泊2日の開運祈願の旅に出かけた。
最初に訪れたのは、摂津国一の宮の住吉大社〈すみよしたいしゃ〉。全国に約2300社ある住吉神社の総本社。大阪では「すみよっさん」と呼ばれ、親しまれている。伊邪那岐命〈いざなぎのみこと〉が禊〈みそぎ〉をした際に、海の中から現れたという底筒男命〈そこつつのおのみこと〉、中筒男命〈なかつつのおのみこと〉、表筒男命〈うわつつのおのみこと〉の三柱の神である住吉大神と、神功皇后〈じんぐうこうごう〉が御祭神。祓〈はらえ〉を司る神で、毎年7月31日の住吉祭では、国中の穢〈けがれ〉を祓う大祓〈おおはらえ〉の神事が行われる。
天王寺駅で阪堺〈はんかい〉電車の路面電車に乗り換え、住吉鳥居前駅〈すみよしとりいまええき〉へ。一の鳥居をくぐって、反橋〈そりばし〉を渡り、正面に立つ幸寿門〈こうじゅもん〉から境内へと進む。まるで海を進む船団のように並び立つ4棟の国宝の本殿にお参りができ、古代の神殿のたたずまいを今に伝える住吉造りの迫力に感激した。
授与所で御朱印をいただき、権禰宜〈ごんねぎ〉の河野充浩〈かわのみつひろ〉さんの案内で、末社を巡った。毎月初めの辰の日にお参りすると願いが叶うといわれる「初辰〈はったつ〉まいり」には、全国から多くの参詣者が訪れる。種貸社〈たねかししゃ〉で子宝や智恵、資金調達を祈り、楠珺社(なんくんしゃ)では願いの発達、繁栄を祈願する。人とお金を招く縁起物の招しょうふくねこ福猫と来年の干支にちなんだ巳みい神さんのお守りを買い求めた。大おおとししゃ歳社に足を延ばし、おもかる石を持ち上げたら、思いのほか軽く、全国にある一の宮108カ所を完拝するという心願がかなうのかと思い、うれしくなった。
住吉の神々を最初に祭ったとされる聖地・五所御前〈ごしょごぜん〉に積み上げられた小石の中から「五」「大」「力」の文字が書かれた石を3つ拾い、授与所でいただいた袋に入れてお守りにした。
和泉国一の宮大鳥大社へ
未来が輝くお守りを求めて住吉大社参拝の後は、住吉公園に今年7月にオープンしたお団子カフェ兎茶やへ。自分で焼く串団子の香ばしい香りが食欲をそそる。数量限定のまぐろ重も味わって、遅めのランチとした。
南海電鉄とJRで鳳〈おおとり〉駅へ。大鳥大社へ歩く途中、行列のできるベーカリーワタナベで、人気のたまごパンや黒豆パンをおやつに買い求めた。
和泉国一の宮の大鳥大社は、『日本書紀』や『古事記』にも登場する日本武尊〈やまとたけるのみこと〉が御祭神。東国平定〈とうごくへいてい〉の帰途、岐阜県と滋賀県の県境の伊吹山〈いぶきやま〉の神の祟りに倒れ、その御霊は白鳥の姿となって、最後にこの地に舞い降りたという。文武の神として武家の崇敬を受け、平安時代末期には平清盛、重盛父子が、熊野参詣〈くまのさんけい〉の途中で詣で、和歌や愛馬を奉納したと『平治〈へいじ〉物語』に描かれている。
拝殿と大鳥〈おおとり〉造りの本殿にお参りをして、御朱印をいただこうと授与所に向かうと、行列ができている。授与されたお守りを手に、境内で記念撮影をする姿も。神職の川原遼太〈かわはらりょうた〉さんに話を聞くと、昨年秋から授与を始めたアクリル素材で作られた透明なお守りが評判となり、外国人観光客にも好評だそう。「仕事、試験、恋愛、勝負事などすべての先が見通せて、その先に明るい未来があるように」と思いが込められたもので、リサイクル可能。SDGsにも配慮しているそうだ。
川原さんに教えてもらい、透明なお守りを手に、本殿を透かして眺めると、陽の光を受け、お守りが虹色に輝く。周りの風景も輝いて見えて、明るい未来がキラキラと彩られているような心地がした。
最後は根上がりの大楠へ。物の価値や運気が上がる御利益があるそうで、隆起した根に財運上昇を祈願した。