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老後に備えるあんしんマネー学 第27回

さまざまな情報が飛び交うなか、老後資金に不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
お金を上手に管理して、老後を安心かつ心豊かに暮らすための、備えのマネー術を紹介します。

年末年始は
「将来の介護」について
親子で話し合いましょう

文=畠中雅子 写真=平田利之

さまざまな情報が飛び交うなか、老後資金に不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
お金を上手に管理して、老後を安心かつ心豊かに暮らすための、備えのマネー術を紹介します。

新型コロナの第8波の影響で、帰省を控える方がいる一方で、久しぶりに実家に帰られる方もいることでしょう。久しぶりに家族と再会できた方は、積もる話もあるでしょうし、お互いの健康状態を確かめ合うなど、充実した時間を過ごして欲しいと思います。

年末年始に家族との時間を持てる方は、タイミングを見ながら「将来の介護」について、話し合う時間を持つことをおすすめします。「介護のことなんて考えたくないし、せっかくの家族の団欒〈だんらん〉に水を差したくない」と考える方も多いはずですが、会えたときが話し合いのチャンスと捉えて、いろいろな質問を投げかけてみるのはどうでしょう。

介護用の「聞き取りシート」を
作成して、記入を促してみる
介護についての質問を投げかけると言っても、介護の話題は、なかなか切り出しにくいテーマです。実際のところ、子ども側から「介護が必要になったら、どのように介護を受けたい?」と聞いたとして、即答できる親御さんも多くないでしょう。

親御さん側と介護の話をするときにおすすめなのは、介護に備えるための「聞き取りシート」を準備すること。聞き取りシートとは、下図の参考例のように介護に関する質問を書き並べて、回答欄に書いてもらうように促すシートです。

いくつか質問例を挙げてみます。


•年金はひと月いくらもらっている?
•教えてもらえるなら、預貯金額はいくらある?
•介護が必要になったとき、どこで介護を受けたい?
•介護付有料老人ホームに住み替えることは考えられる?絶対に嫌?
•介護付有料老人ホームに興味があるなら、見学に行く気持ちはある?
•見学するとしたら、入居一時金はどのくらいまでの施設を見学したい?
•要介護度が重くなったとしても、家で最期まで過ごしたい?それとも、介護度がいくつになったら、高齢者施設への住み替えを許容できる?

質問シートのイメージとしては、以上のような感じです。

親御さんの立場では即答しづらい内容なので、書きづらそうにしていたら、「次回、帰省するまでに書いておいてね」などと伝えて、シートを渡しておくのが良いでしょう。「お金のことなど、答えたくない質問は飛ばしてもいいよ」と伝えておくと、記入が進むかもしれません。

老後破産の多くは
「介護破産」だという現実
ところで、老後資金の相談を受けるなかで感じるのは、老後破産の多くが「介護破産」である現実。元気なうちは節約も可能ですし、無駄を省いて赤字を減らす努力ができます。しかし、介護が必要になると、安い商品を探し回るのは難しくなりますし、生活を維持していくために、誰かの力を借りる機会も増えていきます。誰かの力が家族以外の介護ヘルパーなどであれば、介護にかかるお金で支出は確実に増えるのです。

それにもかかわらず、介護が必要になる前に、「介護が必要になったらどう対応していくのか」について、話し合っているご家庭はほとんどありません。介護が発生してからバタバタと目の前の問題に対応していくために、お金の面でも無理をしがちなのです。

はたなか まさこ
ファイナンシャルプランナー。
新聞・雑誌・ウェブなどに多数の連載を持つほか、セミナー講師、講演を行う。
「高齢期のお金を考える会」「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。
『ラクに楽しくお金を貯めている私の「貯金簿」』(ぱる出版)など著書多数。

(ノジュール2023年1月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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