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50歳からの

初めてのクルーズ旅

写真=伏木博文 文=村田和子(新聞・雑誌・テレビ等、各種媒体で旅行者視点の情報発信を行う旅行ジャーナリスト、クルーズコンサルタント)

コロナ禍で止まっていた外国客船の日本発着クルーズが、今春より続々と再開。「待っていた!」とばかりに老若男女で賑わうMSCベリッシマに乗船してきました。
旅を終えた瞬間から、次の航海へ思いを馳せる……。
初めてでも大満足の、クルーズ旅の魅力に迫ります。

住むように旅する
初日の準備は荷解きから
MSCベリッシマが停泊するのは、横浜港の大黒ふ頭客船ターミナル。山下公園の一角から専用シャトルバスに乗り約20分、ターミナルへ到着する。日本に寄港するクルーズ船としては最大級の約17万t。全長約315m、19階建ての船体は、近くで見ると想像以上に大きく圧巻だ。ターミナル内は手続きを待つ人であふれていたが、今回は様々な特典が受けられるプラン「アウレア」での乗船のため、優先レーンへ。チェックイン、出国手続きへと進み、スムーズに船内へアクセスできた。

まずはビュッフェレストランでランチタイムとすることに。生地から手作りのピザは、窯で焼きたてを提供。コーナーごとに料理がずらりと並ぶさまは壮観で日本食コーナーもある。目移りするが、初日は準備やイベントが多く忙しい。軽めにすませて客室へ。

スーツケースから荷物を取り出し、1週間の我が家となる客室の準備を整える。新しい船だけあってどこも綺麗で機能的。シャワーブースはガラス張りで使いやすそうだ。バルコニーのテーブルセットは朝食やお茶をするのにもよさそうで、思わず笑みがこぼれる。

船内は、IDと客室の鍵、支払いの3役をこなすクルーズカードを利用するため、貴重品は金庫へ。着替えはクローゼットや引き出しに収納し、空になったスーツケースをベッド下へ納めれば、快適クルーズライフの準備は完了だ。

ひと休みをしてから、船内説明会へ参加。説明会では、クルーズカードの利用方法や、毎晩実施される無料のショーはアプリで予約が必要なこと、避難訓練の手順など、重要事項や船内ルールの説明があった。参加必須ではないものの、初めて乗船する船では参加すると安心だ。

出航時間が近づくと、デッキでは出航パーティーが始まり一気に賑やかになる。ひと足早く出航した「ダイヤモンド・プリンセス」、続いて「にっぽん丸」が横浜ベイブリッジをくぐる様子を間近に眺め、互いに旅の安全を祈願し手を振りあうのも楽しい。汽笛が鳴り、さあMSCベリッシマも出航だ。メインダイニングで食事をとり、夜のマジックショーを鑑賞したら、明日からの旅に備えて初日は早めに就寝することに。

終日航海日は
船内で大人時間を満喫
ルームサービスの朝食をバルコニーでいただきながら、終日航海となる2日目をスタート。船内新聞を手にまずは船内を探索する。屋外プールやジャグジーに加え、ウォータースライダーやアスレチック施設まであり、海の上のテーマパークのようだ。晴天に恵まれ、どこも賑わっている。次に、アウレア特典で利用できるサーマルエリアへ。サウナやクールダウン、ジャグジーなどの施設が整い、人数制限もされているので、のんびりと日頃の疲れをとるのにはもってこい。スパも併設され施術を受けるのもよさそうだ。午後は部屋に戻り、大海原を眺めながらベッドでうとうと……至福のひとときだ。

(ノジュール2023年9月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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