老後に備えるあんしんマネー学 第66回
さまざまな情報が飛び交うなか、老後資金に不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
お金を上手に管理して、老後を安心かつ心豊かに暮らすための、備えのマネー術を紹介します。
高齢期の火災保険
補償内容を見直していますか?
今回取り上げるのは、火災保険。
特に、住宅ローンの支払いが終わった後の火災保険についてです。

住宅ローンの返済終了後も
火災保険に入っていますか?住宅ローンを利用してマイホームを購入したとき、火災保険に加入するのが一般的です。なぜなら万が一、火災などで家を焼失した場合、住宅ローンの担保となる家がなくなっては困るため、再建に必要な費用を保険金で確保する必要があるからです。金融機関によっては、火災保険への加入を義務づけているケースもあります。
火災保険は、保険期間が住宅ローンの返済期間と同じ年数になっているのが一般的でした。そのため、ローンの返済が終わるころに火災保険の契約も終了します。満期を迎えた後は、新たに契約をする必要がありますが、満期後に契約を継続していないケースも見受けられます。保険料負担を避けたいからというだけではなく、契約満了に気づいていない方もいるようです。
火災のほか、水災や風災、雹災、雪災なども補償火災保険の基本補償は、火災を原因として建物が焼失するなどの被害を受けた場合に、建物の再建費用として保険金が支払われるというもの。火災に加えて、水災や風災、雹ひょう災、雪災、落雷などで家屋が被害を受けた場合も、保険金が支払われるケースがあります。
特に近年では、大型台風や豪雨による大規模な水災が頻発し、自然災害による保険金の支払いが増えています。床上浸水や地面から45㎝以上浸水した場合は火災保険からの保険金が受け取れるからです。
ほかにも、雹災で屋根瓦を破損した、窓ガラスが割れた、雪の重みで自動車のガレージの屋根が壊れたときなども、火災保険の補償対象です。実際、火災以外での現金での保険金支払いが多いケースがあります。
具体的な数字を損害保険料率算出機構のデータ(火災保険・地震保険の概況)で見てみると、2022年度の火災保険の支払総額2929億円のうち、火災や落雷などによる支払いは514億円なのに対して、自然災害は1487億円、水もれなどによるそのほかの支払いは928億円にものぼり、火災以外の保険金支払いが8割以上を占めています。
現在の最長期間は5年間
5年ごとの更新が必要に前述のとおり、火災保険は火災以外で生じた家屋の被害を幅広く補償してくれる保険ですが、近年の大規模災害を受けて、保険料が徐々に値上げされています。
また過去には、最長で36年の契約ができた火災保険が、現在では最長でも5年間しか契約ができません。長くても5年ごとに更新しなければならないわけで、値上げが続く火災保険料を年金暮らしで払い続けるのは楽ではありません。
特に一戸建てに多い木造家屋の場合、鉄筋コンクリート造よりも火災が広がりやすいという理由から、保険料が高めに設定されている点も懸念材料です。築年数が40年を超えるなど、家が古くなると、契約を断られるケースもありますが、災害によって家の修繕が必要になった場合に保険金を受け取れないと大変なので、高齢期も火災保険を継続することは大切です。
はたなか まさこ
ファイナンシャルプランナー。
新聞・雑誌・WEBなどに多数の連載をもつほか、セミナー講師、講演を行う。
「高齢期のお金を考える会」「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。
『知識ゼロでもきちんとわかる!お金のしくみ』(西東社)など著書多数。
