こだわり1万円宿 第39回

旅ライターの斎藤潤さんおすすめの、一度は泊まってみたい宿を
「予算1万円」に厳選して毎月1宿ご紹介します。

静岡県

アタミシーズンホテル

1時間半の飲み放題付きディナーとよりどりの温泉が堪能できる

都心から熱海まで
おトクなバスでいざ出発!
JR上野駅公園口の北側にある駐車場には、伊東園ホテルズの大型バスが何台も並んでいた。係員に声をかけると、バスの号車と座席を案内された。上野から熱海まで片道625円(税別)は、ありがたい。

途中2ヵ所で休憩をとり、12時半過ぎ宿に到着。受付は13時からで、部屋に入れるのは15時以降だという。荷物を預かってもらい、最近元気を取り戻しているという湯の町熱海を散策する。

15時少し前にチェックインし、支払いを終了した。夕食には、1時間半の飲み放題がついているので、アルコールの追加料金が発生しない。最初に支払えばそれでおしまいだから、気が楽だ。

夕食は、17時30分からと19時30分からの2部制だったので、遅い方を選択。渡された鍵は6階の603号室。ロビーから4階までエレベーターで行き、そこで乗りかえる。食事会場は4階で、大浴場は2階となっていた。

部屋は、予想以上に広かった。入ってすぐ左手にトイレ、右手には洗面所とバスルーム。手前が8畳ほどのツインルームで、大型テレビや冷蔵庫、化粧台、クローゼットなど一通りそろっている。

奥は広々とした和室の8畳間で、外にはゆったりとしたベランダもあった。

伊東園ホテルズの温泉巡りと
食べ放題・飲み放題で大満足
お茶を一服してから、シーズンホテルと伊東園ホテルズの宿、熱海駅、来宮駅を巡回しているバスに飛び乗った。ニューフジヤ、金城館、大野屋にここを加えた伊東園リゾートに泊まったお客は、他の宿でも無料で入浴できるので、大野屋のローマ風呂に入りに行ったのだ。

また巡回バスで戻ってきて、一休みしてから今度はこちらのお風呂に。

低温サウナだという窯風呂の内部は60度ほどで、それほど熱くはない。窯のような作りになっていて、板敷きの上のタオルに寝転がって入浴する方式。

一つの窯風呂に2つのドアがあり、代わり番こに使うため、本日午後は男性のみで、翌日午前中は、女性だという。

木の枕に頭をのせて、10分ほどうとうと。高温のサウナよりリラックスできたのは、寝そべっていればいいからか。

窯風呂で汗を流し、水風呂に浸かってから、癒しの湯へ。天井と壁一面に木炭が埋め込まれた浴室で、細長い木の浴槽にゆったりと身を漂わせる。

4階の夕食会場で部屋番号を言うと、すぐに席へ案内された。和洋取り混ぜたバイキングだが、メニューが豊富で目移りする。欲張って取りすぎないよう、大皿の9つの仕切りに一品ずつ取り分け、たくさん食べたいものは個別の皿に。

カニ食べ放題と自家製3種のロースト肉フェアの最中だったせいか、取り分けた料理はなかなか豪華。3点盛の刺身の小皿も何種類かあり、食べ放題。生ビールや赤白のワイン、日本酒、焼酎各種、ウィスキー、カシスなど、アルコールも充実の飲み放題で、コスパは上々。きっちり、1時間半楽しませてもらった。

さいとうじゅん1954年岩手県生まれ。ライター。テーマは島、旅、食など。
おもな著書に『日本の島 産業・戦争遺産』、『日本《島旅》紀行』、『島ー瀬戸内海をあるく』(第1〜第3集)、『ニッポン島遺産』、『瀬戸内海島旅入門』などがある。

(ノジュール2019年6月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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