サクッと15分 京懐石の老舗が教える旬のおかず 第13回

創業85年の京料理店「木乃婦」のご主人に教わる旬の食材で作るおかず。
京の老舗の味を家庭で手軽に味わいましょう。

穴子の簡単ひろうす

文=山口春菜(エディットプラス) 写真=鈴木誠一

アナゴ入りの揚げたてひろうす
ふんわり食感に餡をかけて
肌寒い日に恋しくなるのが、ほっこり温まる餡かけ料理。「今日は手作りひろうす(がんもどき)を餡かけにしましょう。フードプロセッサーを使えばひろうすも簡単ですよ」と髙橋さん。夏と秋に旬があるとされるアナゴを加えて、ごちそう感のある一品に。

まずは、野菜をフードプロセッサーでみじん切りにし、豆腐や小麦粉を加えてさらに混ぜ合わせる。焼きアナゴを加えれば生地の完成。秋のアナゴは脂がのり、夏に比べて旨みが強いのが特徴だ。オーブンシートにのせたら油の入ったフライパンへ。表面が固まれば、シートは自然とはがれる。「生地を薄く広げると、火の通りが早くて、油の量も少なくてすみますよ。表面がでこぼこしている方が出汁の味が入りやすいので、きれいな丸でなくても大丈夫です」。

揚がったひろうすと油を取り出し、出汁と調味料を入れる。ひろうすを戻して味を含ませたら、とろみをつけて完成だ。油を使ったフライパンでそのまま餡を作るので、洗い物が少ないのもうれしい。「今回の具はアナゴだけですが、この時季だとシメジや銀杏もおすすめ。キクラゲも食感が楽しいですね。好みのものをいろいろ試してみてください」。

作り方

※下ごしらえ
豆腐に重しをして30~60分置き、水切りする。

  1. ニンジン、ゴボウ、シイタケを細かく刻み、フードプロセッサーにかける。絹ごし豆腐、卵、小麦粉を加えてさらに混ぜ合わせる。フードプロセッサーがない場合は、野菜は庖丁でみじん切りにし、泡立て器で滑らかになるまで混ぜ合わせる。

  2. 焼きアナゴを1〜2㎝の食べやすい大きさに切り、《1》と混ぜ合わせる。10㎝角に切ったオーブンシートの上に生地をのせ、平らな丸型に整える。

  3. フライパンに油を1〜2㎝引き、160℃くらいに温まったら、《2》をシートごと入れる。周りが固まってきたら、裏返してシートを外し、両面が色づいたら取り出す。

  4. フライパンの油を取り除き、キッチンペーパーで表面をふき取る。出汁、薄口醤油、酒、みりんを入れて火にかけ、沸騰したら《3》を加えて2分ほど煮る。水溶き片栗粉でとろみをつけて器に盛り、刻んだ柚子の皮を添える。

京料理 木乃婦〈きょうりょうり きのぶ〉
電話: 075-352-0001
住所: 京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416
営業時間: 12時~14時30分、18時~19時30分
定休日: 不定休
予約: 旬の会席1万6500円~2万7500円

(ノジュール2021年10月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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