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「新時代医療(ネオメディカル)」のススメ 第一回

日々進歩する予防医学。
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アプリで健康管理

篠原隆雄先生
(文:大政智子 イラスト:安齋 肇)

体重管理、排卵日予測、天気と体調、睡眠サイクル、血圧管理など、健康の管理に役立つアプリが次々と開発されています。
生活習慣病の治療に役立つ最新の健康管理アプリを診察に活用している篠原隆雄先生にお話をうかがいました。

記録するだけでなく医師と共有できる健康への意識の高まりとともに、スマートフォンやパソコン、タブレットなどで利用できる、さまざまな健康管理アプリが登場しています。

数値を記録して、日々の変化を自分自身で管理するものが主流ですが、なかには、記録したデータを主治医と共有し、治療に役立つものもあります。

今月は、ユーザーが約30万人(2018年10月時点)、約5000の医療施設と提携している(積極的に活用している施設は約500)健康管理アプリ、「Welby(ウェルビー)マイカルテ」について、篠原クリニック院長の篠原隆雄先生にお話を伺いました。

篠原先生は2016年からこのサービスを導入していて、現在は70人程度の患者さんが利用しています。

株式会社Welbyが提供する「Welbyマイカルテ」は、自身が測った血圧、血糖値、体重、食事、運動、服薬、血液検査の数値などをスマートフォンやパソコン、タブレット端末に記録し、チェックできる無料のアプリです。記録は一覧やグラフなどで見やすく表示されます。利用できる機種は限られますが、提携しているメーカーの血圧計、血糖測定器、体組成計、活動量計、ウェアラブル端末などを利用すると、測るだけで数値が自動的に記録されます。いちいちノートなどに記入する必要がなく便利です(提携しているメーカーや自己測定器は「Welbyマイカルテ」のHPに掲載)。

また、このサービスは主治医や管理栄養士と記録を共有することができます。提携している医療機関では、診察のときに記録を活用することも可能です。篠原先生も、患者さんを診察するときに「Welbyマイカルテ」のデータを参考にしてアドバイスを行います。例えば、食事内容をチェックして栄養バランスが偏っている場合は「炭水化物が多めなので、サラダや豆腐などをもっと増やしましょう」、運動量が少ないようなら「運動量が少ないので休憩時間に少し散歩しましょう」など、具体的に指導できるそうです。

血圧や血糖値が上昇しているときには、食事内容をチェックして具体的な改善例を指導できますし、薬の見直しなどが早めに対応できます。数値が改善したときは減薬や断薬の判断にも役立ちます。「Welbyマイカルテ」のデータは、正確ですし、見やすくまとめられているので、患者さんの状態を正確に把握できるのも魅力とのこと。

血圧や血糖値は食事や運動、睡眠などの影響を大きく受けます。こうした情報を主治医と共有することで、数値が上昇している要因がわかりやすくなることも魅力のひとつです。

クラウド上にデータがあるので、家族とも記録を共有できます。離れて住んでいても体調(数値)の変化がわかり、食事や運動など日常生活についても把握しやすくなっています。

医師まかせでない
主体的な治療
「Welbyマイカルテ」と提携している主治医にかかることが理想ですが、そうでない場合も、数値や日常生活を記録するアプリとして活用できます。

スマートフォンは常に持ち歩く人がほとんどでしょう。診察の際に血圧手帳や服薬手帳を忘れたとしても、このアプリを利用していれば記録を主治医や薬剤師に伝えることができます。

また、提携しているメーカーの測定器を利用したり、腕につけるAppleWatch(アップルウォッチ)などのウェアラブル端末や、タニタヘルスリンクの「ヘルスプラネット」といった健康アプリを利用したりすると、歩数や消費カロリー、心拍数などが自動的に記録されます。

体重、血圧、血糖値、薬、食事、運動、睡眠など、健康に関わることはたくさんあります。それらを総合的に記録できること、グラフなどでわかりやすくチェックできるのは魅力です。

血圧や血糖値が上昇しているときは食事や睡眠、運動などを振り返ると、食べ過ぎていたり、睡眠不足や運動不足だったりと、原因がわかることがあります。毎日の情報を記録することは自分の生活を見直し、健康を維持するためにとても役立ちます。

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、その名の通り生活習慣に要因があります。これらを放置すると、認知症や脳卒中など命に関わる病気のリスクを高めることに。

いくつになっても元気で過ごすためには、血圧や血糖値などの数値チェックが重要です。これからはこうしたアプリの活用もおすすめします。

つながる自己管理ノート Welby マイカルテ
測定機器、医療機関とつながり、血圧や血糖値などを記録し、食生活の改善など自己管理に役立てるアプリを提供。生活習慣病治療のために自ら情報を得て、自ら行動し、自ら判断できるクラウドサービス。
karte.welby.jp

しのはら・たかお●篠原クリニック院長。
1989年東海大学医学部卒業。東京医科大学病院、 都立大塚病院などを経て2003年に開院。
専門は神経内科、内科。
周辺の大学病院、総合病院と連携して地域医療の発展に尽力。
www.shinohara-clinic.com

(ノジュール2019年1月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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